MarketoとHubSpotは、どちらもも高機能を備えたMAツールで、多くの企業に利用されています。今回の記事では、実際にユーザーの立場としてこれらのツールを利用した経験から、それぞれの違いを比較解説します。
HubSpotとMarketoの特徴を比較
HubSpotの「Marketing Hub」と「Marketo」は、マーケティング担当者に幅広機能を提供するMAツールとして高い評価を得ています。まずはそれぞれのツールの特徴を見ていきましょう。
Hubspotとは
Hubspotは2004年に登場し、特にスタートアップ企業や中小企業向けに設計され、リードがない状態からスタートする場合も、マーケターがいなく企業でも、誰でも使いこなせるMAとして開発されました。現在ではマーケティング、営業、CSの活動すべての顧客データをを無料の「HubSpot CRM」にて一元管理し、高度な施策は有償のサービス、マーケティング活動であれば「Marketing Hub」、を使って実施することができます。
マーケティングデータだけではなく、すべての顧客接点をもとにマーケティング活動が実施できるため、わかりやすく成果が期待しやすい強みをもっています。
Marketoとは
Marketo Engage(以下Marketo)は2007年にミッドマーケットを狙うMAとしてリリースされ、2019年にはAdobeに買収されました。Marketoはマーケターが自ら高度な施策を行い成果につなげることを目指しており、自社のビジネスに合わせられるカスタマイズ性の高さが大きな特徴です。
一定のマーケティングやツール活用の知識は必要となりますが、自社のビジネスに合ったファネル設計やスコアリング、施策の実行が可能なため、ツールをうまく使えばマーケターの大きな力になります。
2014年ごろからは日本での展開が本格化し、ユーザー同士の交流を促進するコミュニティが発展してきています。
HubSpotとMarketoの機能、価格を比較
価格
HubSpotの「Marketing Hub」は利用レベルとリード数、利用ユーザー数に応じたプランを提供しています。リード数やユーザー数はオプションで追加することが可能です。プランごとの月額費用は次の通りです。
- 無料プラン
ロゴやドメインがHubspotのものとなり、基本的な検証で利用するレベル - Starter(1,000リード / 1ユーザー)
MAとして最低限の施策ができるレベル
1,800円/月 - Professional(2,000リード / 3ユーザー)
MAを使ってインバウンドを中心とする活動を本格化できるレベル
96,000円/月 - Enterprise(10,000リード / 5ユーザー)
ABMやAIを使ったスコアリングなど高度なマーケティングができるレベル
432,000円/月
また必須の導入支援メニューも提供され、Professional導入支援は360,000円、Enterprise導入支援は840,000円となりあます。その他、テクニカルコンサルティングサービスを利用する場合は追加料金が必要となります。
Marketoの費用は非公開で、価格はリード数とオプションに応じて変動します。一般的には年間数百万円から1,000万円程度のコストがかかるとされています。
また必要に応じて利用できる導入支援のサービスも提供されています。
機能
Hubspotはプランに応じて徐々に機能が解放される提供形態です。リードやファネルのアンリ、施策の実行方法もある程度標準化されており、マーケティングの初心者でも扱いやすい仕様となっています。マーケティングのステージが進んでから高レベルな機能を利用するなど、自社のマーケティングレベルに合わせてプランを変えることも可能です。
一方Marketoはカスタマイズ性が非常に高く、リードのステージ、管理する項目、自動化、スコアリングなど、自社に合わせて最適化することが可能です。複数の商材を対象とするマーケティングや複数の部署でマーケティングをする場合にも柔軟に対応することができます。ユーザーの成功事例も多く公開されており、マーケティング担当者が自走しながら成果を目指す使い方に向いている。
使いやすさ
HubSpotはMA、CRM、カスタマーサポートなどのすべての顧客接点を同じユーザーインターフェイスで管理することができ、初心者にも扱いやすい設計となっています。
対してMarketoは高度なカスタマイズ性をもつ反面、使いこなすには一定のリテラシが必要となります。ユーザー会などでの他ユーザーとの情報交換や無料の相談会を利用して、ベストプラクティスを知る努力が重要となります。
カスタマーサービスと学習リソース
HubSpotは無料プランでは基本的にヘルプページが提供されるのみで、有料のStarter以上のプランからメールやチャットでの問い合わせが可能となります。Professionalプラン以上になると、電話(日本語対応)のお問い合わせも可能となります。また無料で利用できる学習リソースも多く提供しています。
https://academy.hubspot.jp/courses
Marketoはヘルプページや問い合わせフォームでの問い合わせに加え、ユーザーコミュニティが充実しています。ユーザーコミュニティによって、カスタマーサービス以上に実践的な解決策やヒントを得ることができます。
https://mugs.marketo.com/japan-mug
最後に
HubSpotとMarketoは、どちらもマーケティングにおいて強力なツールですので、それぞれの特徴や価格、使いやすさを考慮して、企業の状況に最も適したツールを選択することが重要です。
さとりファクトリではツール選定から、企業ごとのマーケティングを支援しています。ご興味があればお問い合わせください。
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