今年度からマーケティング担当になった方々の中には、「マーケティングスキル」で検索し、これから勉強すべき項目を理解されようと奮闘されている方も少なくないかと思います。
検索結果には、MAの知識やGoogle広告、SEO、イベント企画力、社内調整力、データ分析知識…などなど、マーケティングを実行するうえで必要なスキルが羅列されていますよね。
どこから始めるべきか迷う方もいるかもしれません。
そこで本日は、事業会社で3年間マーケティング担当者として奔走してきた経験から現場目線で大切だと思ったスキルについてお話したいと思います。
新人マーケターが身に着けるべき重要なスキル
結論ですが、もしあなたがマーケティングにこれから携わるお立場でしたら、これらの「施策の実行方法(How)」に焦点を当てたスキルより先に、「何を伝えるか(What)」を考えるスキルやマインドセットを知ることをおすすめします。
お客様を主語にする考え方や、お客様の視点に立って自社が提供できる解決策や他社と比較した際の強みを考えられる顧客志向を身に着けることが必要になります。
例えば、豊富なMAツールの知識があって、きれいなランディングページやメルマガを作成できたとしても、そこで発信する内容がお客様に共感されないものであっては意味がありませんよね。
もちろん、Howを知らないと施策実行ができないのでニワトリタマゴではあるのですが、顧客志向の考え方を身に付けることがまず初めに重要だと考えています。
それでは下記から、お客様視点に立つために役に立ったと思うチームの仕組みと、個人的にトライしてみたものをご紹介したいと思います。
顧客志向を身に付けるのに有益なチームの仕組み
まずは、チームの仕組みについてです。
①マーケティング担当者によるインサイドセールス
他社のマーケティングのご担当者様と話をしていると、インサイドセールスが営業部門に含まれていたり、マーケティング部門に含まれていても、マーケティング担当とインサイドセールス担当が別々であったりすることが多い印象を持っています。
マーケティングとインサイドセールスを両立することはリソース的に大変なことも多いですが、お客様の声を直接お伺いできることほど、質の高いマーケティング施策の企画につながるものはありません。
お客様との接点が希薄になりがちなマーケティング部門ですが、接点が少ないとマーケティング担当者が思い浮かべる「理想のお客様」を無意識のうちに作り上げてしまいかねません。
マーケティング担当とインサイドセールス担当の密なコミュニケーションを行っている、という場合でも、やはりマーケティング担当者が少しでも直接コールをする方が良いと思っています。
間接的にではなくお客様と直接お話することで、お客様が使っているワードを知ることができるからです。
例えば、「VDI」1つ取っても、シンクラ、仮想デスクトップ、仮想環境、RDP…など、さまざまな言い方がされており、その中でもお客様ではシンクラという言い方がされていることが多かったりします。
IT企業内ではそれが技術の話なのか、端末の話なのか、製品の話なのか…で厳密に言い換えることが多いですよね。なので、インサイドセールス担当者を経由すると社内言語に変換されてしまい、生のワードを知ることができません。
「お客様が実際に使っている言葉を用いたメルマガ」と「正しいけれどお客様になじみのない言葉を用いたメルマガ」、前者の方がより響くのではないでしょうか。
②事例取材への同行
自分の担当製品を導入していただいたお客様へのインタビューは、マーケティング担当者が必ず同行することになっていました。
事例取材は、実際に自社を選んでいただいたお客様の声を直接聞ける貴重な接点です。どのような状況でどのような接点があったのが良かったのか、支援内容のこういう点が良かった、ここは工夫してほしい、といったご意見や、自分たちでは自覚できていない自社の強みを発見できたりします。
取材のディレクションやライティングは支援企業にお任せすることがほとんどでしたが、取材中には直接質問させていただいています。
顧客志向を身に付けるために実践したこと
続いて、個人的にトライしてみたことです。
①お客様へのインタビュー
公開事例までは時期尚早だけれど、インタビューはOKだとおっしゃってくれたとても親切なお客様がいらっしゃり、きっかけ、検討の内容、内部でどのような調整がされたか…などをインタビューさせていただいたことがあります。
作成したカスタマージャーニーを共有し、「ここではこのような検討をされたのではないかと考えているが、実際にはどのようなお悩みがあったか」というようなご質問をさせていただきました。
想定と似た状況の部分も多かったですが、想定もしていなかった内容もあり、大変勉強になりました。
具体的な内容は書けないためふんわりとした紹介になってしまいましたが、とても有意義な時間となり、出すメッセージにも一層具体性を持たせることができました。
②お客様が参考にしていると推測される本を読んでみる
これは社会人として日が浅かったころに実践した方法なので、ベテランでいらっしゃる方には必要ないかもしれませんが…。
社会人としてもマーケティング担当としても日が浅かったとき、チームミーティングでカスタマージャーニーの検討をしたのですが、何も意見を言うことができませんでした。
「マーケティングの知識云々の前に、お客様の業務を知らなければカスタマージャーニーも書けない!」と思い、当時のターゲット顧客である情報システム部インフラ担当の方向けにプロジェクトの進め方を解説した本や、外部ベンダーとのかかわり方を解説した本を読んでみました。
それを読んだからと言って次の日からスッキリと整理できたわけではありませんが、お客様が社内でどんな調整をして、どんな苦労をしているのか、よくある失敗談、等を知ることができたため、全体のイメージをつけることには役に立ったと思います。
これをしたうえで前述のインサイドコールを行っていたことがより顧客理解につながったと思っています。
③自分の担当製品の深い理解
こちらも前述のインサイドコールにつながるのですが、「詳しくはエンジニアに聞いてください」ではなく、ある程度自分で説明できると、より密なコミュニケーションができます。
製品知識があることでただのQAになってしまって会話が終わることがある点は要注意ですが、
お客様の疑問にその場でこたえられることが多いと、より具体的なお悩みをお伺いできることが多いと感じています。
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
お客様のことを知るための手段をまとめただけになってしまった気もしますが、マーケティングご担当の皆様にご参考にしていただけるものがあればうれしいです。
また、弊社では顧客志向を身に着けるトレーニングも実施しています。ぜひ気になる方はチェックしてみてください。>>https://www.satorifactory.jp/marketing/marketing-training/
これから本格的にマーケティング組織を立ち上げようとしている方へ、
企業が市場での競争力を高めるマーケティングを実現する方法を"30分"で知っていただけるオンラインセミナーを開催します。
事業会社でマーケティング部門を立ち上げ、案件創出の仕組みを作った経験をもとにご紹介しますので、
マーケティング活動を戦略的に組み込むヒントとしていただければ幸いです。
コメント