やりっぱなしは意味がない。
しかし、「振り返りの方法がわからない」「何を見て何を考えれば良いのか、迷ってしまう」と悩む方もいらっしゃるでしょう。
そこで本日は、”基本といえば基本だけど難易度の高い”マーケティング施策の振り返り方法について、私が事業会社のマーケティング担当として実施していた内容をご紹介したいと思います。
大事な前提:戦略無き施策は意味がない
具体的な方法に入る前に、1つ大切な前提をお伝えします。
マーケティング施策は、必ず戦略に基づいている必要があります。事業戦略から製品戦略、マーケティング戦略に落とし込み、さらにそこからマーケティング施策とアクションにブレイクダウンされるべきです。
事業戦略は、所属する組織がどこに向かっているのか、どのくらいの売上や利益を目指しているのかを反映します。そして事業戦略達成のためにマーケティング組織として何をすべきか”の方向性が、マーケティング戦略です。マーケティング戦略では、どのターゲットに向けてどのようなポジションを狙うのか、それによりどのくらいの利益を生み出せそうかを定めます。
マーケティング施策の振り返りでは、セミナー参加人数やメールの開封率・クリック率といった数値も重要ですが、「目標に向かって貢献できているのか?」という視点を持つことが不可欠です。
振り返りの具体的な方法
では、ここからはどのような考え方で振り返るべきか、その方法を解説します。
マーケティング戦略の達成状況を確認する
まずは、想定する成果を出せているかどうかを確認します。出せている場合は、そのまま継続するか、発展させるべきか、今後の計画について検討します。
問題は、成果が出ていない場合です。事業戦略やマーケティング戦略に基づいて施策を実施したにも関わらず期待した成果が出ていない場合、戦略が不適切なのか、施策やアクションに問題があるのか、紐解いていく必要があります。
アクションの実行状況を見る
まずは、そもそもアクションがスケジュール通りに実行できていたかを振り返りましょう。戦略、施策に基づいて設定されたアクションは「これを実行すれば目標を達成できる」と信じて設定されたものです。実行できていなければ他の振り返りは意味がありません。実行できていない場合は以下を考えます。
- どうすれば実現できるのか検討する(リソース不足の場合は外注や他部署への協力依頼など)
- 優先順位を見直す
次に、アクションを計画通りに実行しているのに成果が出ていない場合、シンプルに計画していたアクション数が不足している可能性もありますが、施策・戦略の修正が必要な場合が多いです。
施策を振り返る
次は施策ごとの振り返りです。実施した施策の成果と課題を整理します。
目標を達成できていない施策については、
- 狙ったターゲットにきちんと届いたか
- 顧客が必要としている情報を発信できたか
といった点を確認することが多いです。
ちなみに、施策ごとに適したKPIの設定方法については下記のブログで解説しています。ぜひご参考ください。
参考ブログ:BtoBマーケティングにおけるKPIの設定方法
次の手を検討するために
振り返りの次は、それを踏まえて次の手を検討する必要があります。PDCAのCとAの間ですね。これは成果の出ている・出ていないに限らず必要です。
次の手を検討するには、日々施策を実行する中での様々な気づきをアウトプットすることが効果的です。
- 意外と自社のxxという点が強みになりそうだ
- このターゲットにはウェビナーよりもダウンロード資料のほうが効果がありそうだ
- 今回のセミナーは案件獲得を目的としていたが、情報収集中の方にヒットしている
- 今の戦略ではA社が強い競合になりそうだ
- 今出しているメッセージとは違う需要がありそうだ
…このような気づきをメモしておいて、カスタマージャーニーやバリュープロポジションキャンパスで整理しましょう。
- カスタマージャーニー
顧客が製品やサービスに出会い、購入し、使用するまでのプロセスを視覚化したものです。顧客の視点から見たタッチポイントや体験、感情の変化を把握できます。
関連ブログ: BtoBマーケティングにおけるカスタマージャーニーマップの作り方
- バリュープロポジションキャンバス
顧客が抱える課題や期待に対して、自社の製品やサービスがどのように価値を提供できるかを整理・分析するツールです。顧客のニーズと製品・サービスの価値提案を可視化し、両者のマッチングを強化します。
関連ブログ: 自社サービス・製品における具体的な課題再定義フェーズの活用方法
こうすることで、次の手を顧客視点で検討できます。
振り返りの頻度
チームの状況や施策数によっても異なるかと思いますが、下記を目安に実行してみてください。
- 戦略や施策全体の振り返りは3週間に1回
- タスクは週に2〜3回(走り始めた頃は毎日でも良いでしょう)
チームで共有し、お互いにコメントしあうことでより精度の高い振り返りができるようになります。ぜひチームで定例会を設定し実施してみてください。
振り返りに役立つツール
これらの内容を整理するために、バラバラに情報を保管しているとそれらを探しに行くだけでも大変ですよね。
必要な情報を俯瞰できるツールの利用がおすすめです。使ったことがあり、よかったものを2つご紹介します。
- Miro
- 作成・共有には料金がかかるが、見た目がきれいで見やすい
- 参考:Miro
- Microsoft Whiteboard
- Microsoftアカウントさえあれば誰でも利用可能で、Office 365をご活用されている企業におすすめ
- 参考:Microsoft Whiteboard
最後に
以上、いかがでしたでしょうか?
振り返りはマーケティングの成果向上に不可欠です。効果的な振り返り方法やツールを活用し、自社の戦略と施策を見直すことで更なる成長へとつなげていきましょう。
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マーケティング活動を戦略的に組み込むヒントとしていただければ幸いです。
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