テクノロジーの最新トレンドや革新を発表するための年次イベントであるMicrosoft Igniteが、2024年11月18日~22日に開催されました。
Igniteでは、ITに携わる方やITエンジニア向けにMicrosoftの製品やサービスに関するアップデートや新製品が発表されます。
Microsoft Ignite 2024のテーマは、「未来の仕事に向けたテクノロジーの進化」。いまだ熱狂冷めやらぬCopilotについても、もちろん多くのアップデート情報が発表されました。
そこで本日は、Microsoft Copilotの便利機能について、アップデート情報を含めまとめていきます。
Microsoft Copilotとは
まず前提として、Copilotとは何か簡単におさらいしていきます。
Copilotは、Microsoftが提供するAI支援ツールです。主にユーザーの生産性を向上させることを目的としており、自然言語処理技術を活用して、さまざまなタスクを効率的にサポートします。
Copilotと一言で言ってもいくつか種類があり、大きく3つに分けられます。
Microsoft 365 Copilot
Microsoft 365 Copilotは、WordやExcel、PowerPointやTeamsなどのMicrosoft 365アプリケーションに統合されたAI支援ツールです。日本語でチャットすることで作業を大幅に効率化できます。
例えばWordでは文章生成、Excelでは記入済みのデータに対する提案、Outlookでは返信文の作成、Teamsではオンライン会議の要約などがそのアプリケーション上で実行できます。
ロールベースのエージェント
for Sales、for Service、 for Financeの3つが提供されています。
- Microsoft 365 Copilot for Sales
営業チームの生産性を向上させるためのAIツールです。
Microsoft Dynamics 365 SalesやSalesforceといったCRMシステムと統合され、顧客データを活用して営業活動をサポートします。
メールの要約やドラフトの作成を行い、CRMデータから必要な情報を抽出する機能、会議前に顧客情報やタスクをまとめたブリーフを作成し、会議中にはリアルタイムで競合情報や提案を提供する機能などが搭載されています。会議が終了した後は、議論の要約や推奨するタスクを提示します。
また、Microsoft 365のアプリ(OutlookやTeams)と連携し、業務フローに組み込むことも可能です。 - Microsoft 365 Copilot for Service
Copilot for Serviceは、カスタマーサービスチームの効率を向上させるためのAIツールです。
顧客からの問い合わせに迅速に対応し、サポート業務の改善を図る際に活用できます。
よくある質問や基本的なサポートリクエストを自動で処理する機能や、顧客の過去のやり取りや購入履歴を基にパーソナライズされた情報を提示する機能、サポート担当者が顧客と対話している際に、AIがリアルタイムで提案や情報を提供する機能などが含まれています。 - Microsoft 365 Copilot for Finance
Microsoft 365 Copilot for Financeは、財務チームの業務効率を向上させるためのAIツールです。
このツールは、財務データの分析や報告、意思決定を支援することを目的としています。
複雑なデータセットを迅速に処理し重要なインサイトを提供する機能や、予算編成や予測のプロセスを簡素化し、過去のデータを基にした予測モデルを提供する機能があります。
また、簡単な指示を入力することで、必要な財務レポートを自動的に生成してくれる機能もあるので、時間をかけずに財務指標やKPIに基づいたダッシュボードを作成し、リアルタイムで業務のパフォーマンスを把握することができるようになります。
独自にエージェントを構築する
Microsoft 365 Copilot Studioでは、Copilotを自社用に独自にカスタマイズすることができます。定型業務の自動化などを実現できます。
ローコードで自社の業務に合わせたCopilotを開発できます。既存のデータセットを活用してAIを学習させることも容易です。
Copilotの便利な新機能
それではここからは、Copilotの便利な新機能をご紹介します。
1. Copilot Actions
日常の反復作業を自動化する新機能です。例えば、以下のようなタスクを自動化できます。
- 毎日の重要なアクションアイテムの要約を自動的に受け取る。
- チームからの入力を集めて毎週のニュースレターを作成する。
- 顧客との次回のミーティング前に、過去のやり取りを要約する。
これにより、時間を節約し、重要な業務に集中できるようになります。
2. 新しいエージェント
Microsoft 365内で特定のタスクを自動化し、専門知識を提供するために設計されたエージェントが発表されました。下記のようなことを実現できます。
- SharePointのデータから、リアルタイムの情報と洞察を提供する
- Teams会議でのリアルタイム言語通訳
- 会社ルールに関する質問(PCセットアップや人事制度についてなど)に迅速に回答する
3. Copilot Control System
Copilot Control Systemは、ITプロフェッショナルがCopilotとエージェントを安全に管理できるようにする新しい管理システムです。下記のようなことが実現できます。
- Copilotとエージェントのアクセス管理
- 導入状況の測定
- 投資対効果(ROI)の評価
AI導入後の効果測定に最適ですね。AIをうまく活用しているユーザからインサイトを得ることができそうです。
4. Copilot Studioの強化
Copilot Studioは、エージェントのカスタマイズと構築を簡素化するための新機能が追加されました。
- 自律型エージェントの作成
- 音声および画像機能の統合
- 広範なエージェントライブラリへのアクセス
より高度なエージェントを簡単に作成できるようになります。
5. AI管理者ロール
Microsoftのクラウドサービスでは細かく管理ロールが分かれており、必要最低限のロールを付与することで、無駄な制限なくセキュアにシステム管理ができます。
その中で、Microsoft 365 CopilotとエンタープライズAIサービスの管理を専門とする新しい管理者ロールができました。
これにより、より安全にAIの管理をおこなえるようになります。
新機能の多くは、2025年早期に一般公開(GA)される予定です。待ち遠しいですね!
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