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Azure Virtual Desktop(AVD)とは?特徴、価格、事例を解説![2025年最新]

働き方が多様化する現代において、リモートワークやハイブリッドワークを支えるIT環境の整備は欠かせません。その中でも注目を集めているのが、Microsoftが提供する「Azure Virtual Desktop(アジュール・バーチャル・デスクトップ)」です。

Azure Virtual Desktopはクラウド上で仮想デスクトップ環境を構築できるサービスで、場所やデバイスを問わず柔軟に業務を行える環境を提供します。

本記事では、2025年最新情報をもとにAzure Virtual Desktopの基本的な仕組みや特徴、導入する際に気になる価格について詳しく解説します。

これから導入を検討している方や、既存のVDI(仮想デスクトップインフラ)からの乗り換えを考えている方はぜひ参考にしてみてください!

Azure Virtual Desktop(AVD)とは?

Azure Virtual Desktop(AVD) とは、Microsoft が提供するクラウドベースのデスクトップ/アプリケーション配信サービスです。いわゆる、仮想デスクトップ(VDI)やシンクライアントと呼ばれるものに分類されます。

AVDの特徴

Microsoft純正のクラウドVDIサービス
Azure Virtual Desktop(AVD)は、Microsoftが提供する純正のクラウドVDIサービスです。そのため、Microsoft製品との統合性が非常に高く設計されています。
特に、Microsoft TeamsやMicrosoft 365アプリケーションに最適化されており、仮想デスクトップ環境でもTeamsでのビデオ会議やチャット機能がストレスなくスムーズに動作します。

また、すでにMicrosoft 365ライセンスを保有している場合、多くのケースでそのままAVD上で利用できるため、新たな追加費用を抑えつつ、より効率的な業務環境を構築することが可能です。

柔軟性が高い
AVDは、Windows PCだけでなく、Mac、iOS、Androidといった多様なデバイスからアクセスできます。
さらに、ブラウザベースでの利用も可能なため、専用ソフトウェアをインストールする必要がない場合でも、簡単に業務環境にアクセス可能です。

この柔軟性により、自宅や外出先、さらには海外からでもセキュアで快適なリモートワーク環境を実現します。
デバイスを問わない自由度の高さは、働き方の幅を大きく広げるポイントですね。

包括的なセキュリティ監視とコンプライアンスが適用されている
Azure Security CenterやMicrosoft Defender for Cloudなどのツールと統合されており、セキュリティ状態をリアルタイムで監視できます。これにより脅威を迅速に検知・対応することが可能です。

また、AVDの基盤であるMicrosoft Azureは、GDPRやISO 27001など多くの国際的なセキュリティ基準に準拠しているため、コンプライアンス要件が厳しい業界でも安心して利用できます。

AVDの導入メリット

上記のような特徴を持つAVDは、導入するとどのようなメリットがあるのでしょうか。
大きく4つのポイントをお伝えします。

① 働き方の柔軟性とセキュリティの両立を実現できる

AVDを導入することで、働き方の柔軟性とセキュリティの両立が実現できます。
パソコン、タブレット、スマートフォンなど、さまざまなデバイスで利用可能で、自宅や外出先からでも業務を行えるようになります。

そのうえで、強固なセキュリティを実現できるのです。
AVDはクラウド上にデスクトップ環境があり、物理PCとのデータのやり取りを禁止することが可能です。そのため、万が一物理PCを紛失したりウイルスに感染したりしても、業務環境であるAVDには一切影響が出ません。
必要に応じてコンプライアンスポリシーを適用し、常に安全な環境を保つ運用も可能です。


② いつもと同じWindows 10/11でいつも通りの業務を実現可能


一般的にはライセンス規約の制約から、VDI環境上でWindows 10/11をそのまま利用するのは難しいとされています。
しかし、AVDはMicrosoftが提供する純正サービスであり、その課題をクリア。

これにより、ユーザーは普段使用しているWindows 10または11の環境で、違和感なく業務に取り組むことが可能です。
操作性や使用感に変化がないため、スムーズに作業を開始できます。

③ コストを削減して運用できる


Azure Virtual Desktop(AVD)は従量課金制を採用しており、利用した分だけ費用が発生します。そのため、適切な電源管理を行うことで無駄なコストを削減可能です。
1台の仮想マシンに複数人が同時に接続できるマルチセッションを活用すれば、無駄なリソースを減らしての運用も可能です。

また、物理的なデバイスやサーバー在庫を抱える必要がないため、初期投資や維持費の負担も軽減されます。

さらに、既に所定のMicrosoftライセンスを保有している場合は、新たにライセンスを追加購入する必要が無いため、ライセンスの重複や二重管理も発生しません。

④ 運用管理負荷が軽減する


Azure Virtual Desktop(AVD)では、オンプレミスのVDI環境で必要となる複雑な管理コンポーネントをMicrosoftが代わりに管理します。そのため、従来型のVDIと比較して運用範囲が大幅に削減されます。

さらに、クラウドサービスであるため物理サーバーの管理が不要で、アップデートや新規ユーザーの追加なども手元で簡単に一括管理可能です。

これにより、IT担当者の負担を大幅に軽減し、本来注力すべき業務にリソースを集中していただけるようになります。


AVDのユースケース

上記のようなメリットは具体的にどのような場面で活用されるのか、AVDの4つのユースケースを紹介します。

1. リモートワーク・ハイブリッドワーク環境の構築

リモートワークやハイブリッドワークの普及に伴い、従業員がどこからでも安全に業務を遂行できる環境を整えることが重要視されてきています。

AVDは前述のとおり情報漏洩のリスクを下げ、かつ利便性の高い業務環境を実現するため、リモートワーク環境に最適です。BYODにも対応しているため、場所や端末も選びません。

  • 在宅勤務中の社員が会社のデータやアプリケーションにアクセス。
  • データはクラウドに保存されるため、ローカル端末には残らず安心。
  • IT管理者による一元管理が可能で、トラブル時の対応も迅速。

2. 開発環境の提供

開発プロジェクトでは、セキュリティと効率が求められます。
複数のプロジェクトに対応する際、それぞれのPC端末を貸与することはユーザにとっても管理者にとっても煩雑ですよね。

AVDは、ネットワークを普段の業務環境と隔離できるため、PC端末は1つでも、それぞれの環境の機密情報の保護を実現します。また、マスターイメージによって決まった環境を用意できるため、開発者向けに統一された環境を一括で提供できます。

  • 開発チームが仮想デスクトップからツールやソースコードにアクセス。
  • 機密データに対するアクセス権や制限を細かく設定可能。
  • プロジェクトごとに環境をカスタマイズし、短期間でセットアップ。

これにより、セキュリティ要件が厳しいプロジェクトでも安心して開発を進められるほか、管理の手間も削減できます。

3. セキュアな業務環境

ランサムウェア対策やデバイス暗号化など、各PC端末ごとのセキュリティ強化には多くの手間や時間がかかるため、その負担は決して軽くありません。
特に非常勤スタッフや外部委託メンバーが多い企業では、全員にPCを貸与することが難しい場合も少なくありません。雇用形態や働き方の違いによって適応させるセキュリティ基準も異なってくるでしょう。

AVDは、必要なくなった環境を停止したり、ユーザグループごとに提供する環境や適応させるセキュリティポリシーを変更したりできるため、このようなニーズにも適用できます。

  • 契約社員や派遣スタッフが会社のシステムやデータにアクセス可能。
  • 業務終了後は仮想環境へのアクセス権を即座に無効化し、セキュリティを確保。
  • 短期間で必要なリソースを柔軟に割り当てることでコスト効率を向上。

関連事例:永和監査法人様|Azure Virtual Desktop / Intune導入事例

4. 教育機関での学習環境の提供

教育機関は、学生や教員が必要な学習リソースにいつでもアクセスできる環境を整える必要があります。
短期講座や研修など、環境準備に柔軟性と迅速性が必要とされる場面もあるかと思います。

  • 学生が自宅やキャンパス内外問わずクラウド上の教材や学習ソフトウェアにアクセス。
  • 教員が授業内容に応じた専用アプリケーションを仮想環境で提供。
  • 短期的な試験期間やプロジェクトで追加リソースを柔軟に割り当て可能。

AVDを活用することで、教育現場でのデジタル化が進み、生徒と教員双方にとって便利で効率的な学びの場が実現します。

AVD導入に必要なもの

①ライセンス

AVDを利用する際には、ユーザー数分のWindowsライセンスが必要です。
具体的なライセンスとして以下が挙げられます。(すでにいずれかのライセンスをすでに保有している場合は、追加購入は不要です。)

Microsoft 365ライセンス (Officeアプリケーションも含まれる)

プラン名価格(ユーザー/月)
Microsoft 365 E3(Teamsなし)¥5,059
Microsoft 365 E5(Teamsなし)¥8,208
Microsoft 365 A3(教員用)¥946
Microsoft 365 A3(学生用)¥704
Microsoft 365 A5(教員用)¥1,320
Microsoft 365 A5(学生用)¥1,771
Microsoft 365 F3¥1,199
Microsoft 365 Business Premium¥3,298

Windows Enterpriseライセンス

プラン名価格(ユーザー/月)
Windows Enterprise E3¥1,155
Windows Enterprise E5¥1,815

ちなみに、上記のうち、「Microsoft 365ライセンス」以外のライセンスをご利用、かつ、AVD上でOfficeアプリケーションを利用する場合、対応するOffice 365ライセンスが必要です。

代表的なライセンスとして以下が挙げられます。

  • Microsoft 365 Apps for Business、Enterprise
  • Office 365 E3、E5

これらの中から、ご要件やご予算に応じて組み合わせていただくことができます。

以下の記事では、具体例も交えて必要なライセンスを解説しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

Azure Virtual Desktop(AVD)に必要なライセンスを解説 >
https://www.satorifactory.jp/avd-license-fundamental/

② Azureサブスクリプション

つづいて、AVDはAzure上で提供されるサービスであるため、Azureサブスクリプション(Azureの契約)が必須です。
このAzure契約の中に、以下のような、AVDに必要な環境の設定・構築を行います。

  • ユーザーが接続するための仮想デスクトップ環境となる仮想マシン (VM)
  • プロファイルデータを格納するストレージ
  • 仮想ネットワークやVPNなどネットワーク構成
  • ユーザー認証やグループ管理を実現するEntra ID

そのため、Azure契約をお持ちでない際は、まずパートナー企業もしくはマイクロソフトのwebから契約を進めていただく必要があります。

Azureの契約について知りたい方は、以下のブログもぜひご参照ください。

Azureはどのパートナー企業から契約する?EA契約・CSP契約それぞれ解説!>
https://www.satorifactory.jp/azure-partnar/

AVDの価格について

つづいて、気になるコストについてです。
AVDは従量課金制のサービスであるため、利用ユーザ、VDI環境のスペック、利用時間によって費用が上下します。

AVDの価格を構成するもの

以下に主な費用項目を分けて解説したのち、前提条件を用いて具体的な参考費用もご紹介していきます。


① 仮想マシン
AVDの中心となるのは仮想マシン(VM)で、ユーザーがリモート接続するデスクトップ環境の基盤となります。この費用は以下の要素によって変動します。

  • 仮想マシンのサイズ
    CPUやメモリ、ディスクといったスペックに応じて時間当たりの単価が変化します。
  • 仮想マシンの台数
    何人がAVDを利用するか(マルチセッションを利用する際は、同時に何人接続するか)によって仮想マシンの台数が変化します。
  • 利用時間
    仮想マシンが起動している時間だけコストが発生します。(※利用時間ではなく、起動時間です)

② ストレージ
つづいて、ストレージです。主にユーザプロファイルを格納するためのコンポーネントが必要となります。

  • ユーザープロファイルストレージ
    各ユーザーのプロファイルデータを保存するためにAzure FilesやAzure NetApp Filesを使用する場合、そのストレージ料金が発生します。

③ ネットワーク
AVDを利用する際にはネットワーク関連の費用も考慮する必要があります。

  • データ転送
    Azureリージョン間やインターネットへのデータ送信には料金がかかります(受信は無料)。
  • VPNやExpressRoute
    オンプレミスとの接続が必要な場合、これらのネットワークサービスの利用料金も発生します。

AVDの参考価格

以上でAVDの価格を構成する要素はイメージしていただけましたでしょうか?
それでは、よくお伺いする前提条件にて、参考費用をご案内します。


前提条件

利用ユーザ数:300名
VDI環境のスペック:2vCPU 4GiBメモリ
利用時間:土日込み、1日10時間
プロファイルストレージ:ひとり当たり10GB
1つのVDIに複数人がアクセスするマルチセッションを利用

参考価格
月額料金(参考):¥1,073,040/月
ひとり当たり:¥3,577/月

「もっと自社の要件に沿った費用を知りたい」とお閑雅の方向けに、必要な項目を選択するだけでAVDの参考利用料を算出できるExcelシートもご用意しております。

自社環境で試算してみたい方は、ぜひご活用ください。

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AVD導入をご検討中の方へ

以上、いかがでしたでしょうか。こちらの内容が情報収集にお役立ていただけましたら幸いです。

非正規雇用従業員向けの業務環境やリモートワーク環境の整備、セキュアな業務環境を作りたい…
しかし、「IT担当者が少なく専門知識に不安がある」「運用まで自分たちでできるだろうか」と不安な気持ちをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。

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