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BtoBマーケティングでのデータクレンジング・名寄せの仕方

データクレンジングとは

データクレンジングとは、データの正確性・一貫性・信頼性を確保し、ビジネスにおいて有用な情報を利用できるようにするプロセスです。具体的には不正確・不完全・重複・無関係なデータを見つけ出し、修正や削除、更新をすることでデータの有用性を高めます。

BtoBマーケにおけるデータクレンジング

BtoBマーケティングにおいて、効率的な案件創出や、コスト削減とROIの向上のため、データをクレンジングする必要があります。

効率的な案件創出

ターゲティング精度の向上
データクレンジングを行うことで、ターゲティングの精度が向上します。企業や個人の担当者ごとのデータを一か所にまとめることで、見込み顧客のニーズや行動をより正確に把握でき、効果的なマーケティングメッセージを届けることが可能になります。

効率的なキャンペーン実施
正確なデータに基づくパーソナライズされたメッセージを届けることで、顧客の関心を引きやすく、効果的なキャンペーンを実施できるようになります。また、クレンジングされたデータに基づいてキャンペーンの効果を測定することで、次回以降の改善点を明確にすることができます。

コスト削減とROIの向上

無駄なコストの削減
不正確なデータは無駄なコストを引き起こす原因となります。データクレンジングを行うことで、誤ったターゲティングによる広告費の無駄や、不正確なリードに対する無駄な営業活動を減らすことができます。

投資対効果の最大化
データクレンジングにより、精度の高いマーケティング戦略を立案することが可能となります。また、顧客にとって価値のある施策を実行することで、顧客満足度の向上も期待できます。

データクレンジングの考え方

対象とするデータ

BtoBマーケティングにおいては、購買に関与する人々の情報を正しく統合するためにデータクレンジングを実施します。個人情報が重複せずに一人として管理され、見込み顧客となる組織が適切な規模で統合されている状態を目指します。

個人データの統合

MA(マーケティングオートメーション)を導入している場合、基本的にはメールアドレスなどのキーをもとに各個人の情報が統合され、新たに個人が作成されない仕組みになっています。ただし、リードを登録する経路によっては、同一人物が別人として扱われることもあります。その場合、同一人物としてマージする運用が必要です。

例えば、MarketoではウェブフォームやCSVインポートを通じてリードが登録される場合、同じメールアドレスの情報は同じリードとして記録されます。しかし、API経由でリードが登録されると、別人として扱われることがあります。Marketoには「重複リード」という機能があり、そこでリードをマージすることでこの問題を解消できます。

Marketo重複リードマージ画面

組織データ統合・拡張

組織のデータクレンジングでは、異なる名前で登録されている組織を同一と見なせるようにすることが重要です。企業データを保有するサービスを利用すると効率的です。例えば、NTT東、エヌ・ティ・ティ東日本、東日本電信電話のように異なる名前で登録されている企業名情報も、法人番号8011101028104の東日本電信電話株式会社として統一されます。
さらに、企業データを保有するサービスは、データをクレンジングするだけでなく、それぞれのサービスが持っている企業情報を追加することも可能です。企業情報の追加まで行っても、クレンジングだけの場合と比べて大きく費用が変わらないことがあります。そのため、特定の企業にのみターゲットするようなビジネスでない限り、組織データを拡張することも考慮するべきです。

クレンジング前のデータとクレンジング後のデータの扱い

データをクレンジングしても、クレンジング前のデータは残しておくことが重要です。データクレンジングに誤りがあり、間違った社名と判断した場合でも将来やり直すことができます。また、送付先の企業名が入ったメールを送る際に、リードがフォームに入力した内容と異なる企業名を使用すると、不信感を招く可能性があります。
Marketoを利用する場合、標準の企業名はSFAでも使用する標準の企業名を入力することが多いです。そのため、個人が入力した企業名は別のカスタム項目などで記録しておくと良いでしょう。これにより、正確なデータ管理と顧客の信頼維持が両立できます。

データクレンジング進め方

CSVなどのデータを使ってオフラインで実施

データのクレンジング作業は、まず対象となるデータを収集し、時系列で整理します。その古くなり使えないデータ、または無関係なデータは除外します。重複するデータを手元で統合し、時系列に並べ替えます。そして各リードの最新情報を抽出し、信頼できる情報提供サービスを利用してデータをクレンジングします。

例えば東京商工リサーチでは、社名、住所、電話番号などの基本情報をもとにデータをクレンジングできるサービスを提供しています。このとき多少データの記載に揺らぎがあっても、対応可能です。

ツールを使ってオンラインで実施

クレンジング対象となるデータをMAツール(Marketoなど)やSFAツール(Salesforceなど)に投入し、企業データ提供サービスと連携させて、自動的に企業情報を判定することができます。さらにMAやSFAと名刺管理ツールと連携しておけば、取り込まれた名刺情報に基づいて正確な企業名や住所が取得されクレンジングの精度が向上させることができます。
代表的なサービスとして、UsonarやFORCASがあげられます。
Usoner:ランドスケイプ社が提供するツールで、中小企業を含む多くの企業データを取得し、事業所単位での企業判定も可能です。
FORCAS:ユーザーベースが提供するツールで、有価証券報告書などの情報を基にした独自の企業データを付加することができます。

FORCASシナリオサンプル

企業の統合

リードデータをクレンジングすると、リードを基準に該当リードがどの企業の属しているかがわかります。しかし、企業を基準にどのリードが属しているかがわかるには、さらに企業の統合処理が必要となります。
たとえば、MarketoとSalesforceを連携させている場合、企業のマージ処理はSalesforceで実施することになります。企業のマージ処理には、APIを利用した開発や、重複している企業候補を特定する機能を使用して、RPAを活用する方法などがあります。

企業の統合イメージ

さとりファクトリのデータクレンジング支援

さとりファクトリでは、データクレンジングの初期対応はもちろん、その後の継続的な運用支援も含めてサポート可能です。データクレンジングは一度行ったら終わりではなく、可能な限りリアルタイムで正確なデータに基づいて実施する必要があります。正確な意思決定と効果的なマーケティングを実現するために、データクレンジングに関するご相談やサポートが必要な方は、ぜひさとりファクトリにお声がけください。

                       

    

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