SalesforceとMAを連携していると、新しい取引先が次々と作成されます。
同じ取引先がSalesforce内に複数存在していると、データが分散してしまい、効果的なデータ分析や活用が難しくなります。効果的なマーケティングを行うためには、それぞれの取引先を1社にマージする必要があります。
本日の記事では、複数の取引先をマージする方法について解説します。
取引先マージの方法
今回の記事では以下のフローで、取引先を効率的にマージしたいと思います。
- 企業データ付加サービスを使って、法人番号など企業ごとにユニークな番号を取得する
- Salesforceの重複ルールの機能で同じユニークな番号をもつ取引先を発見する
- Salesforceの標準のマージ機能で取引先マージの処理を自動化する(必要に応じて)
それぞれのステップについてご説明します。
1.企業データ付加サービスを使って、法人番号など企業ごとにユニークな番号を取得する
まず、企業データ付加サービスを活用して、Salesforce上の取引先に正式な企業名と法人番号などのユニークな番号を取得します。
企業データ付加サービスは、自社の取引先データとサービス提供会社が持つ企業データベースを比較し、該当の企業データを自動的に判定してくれます。代表的なサービスには、スピーダ顧客企業分析やUsonarなどがあります。これらのサービスは、社名、電話番号、住所、ドメインの情報を組み合わせて企業を特定し、法人番号等の情報をSalesforceの取引先に付加することができます。
企業データ付加サービスのより詳しい解説と主要サービスの比較については以下のブログをご参照ください。
2.Salesforceの重複ルールの機能で同じユニークな番号をも取引先を発見する
次に、Salesforceの重複ルールを使用して、同じユニークな番号を持つ取引先を発見します。
重複ルールは、データベース内の重複レコードを管理し、データの一貫性を保つための機能です。
ここでは、企業データ付加サービスで取得したユニークな番号が完全一致することをもって重複判定を行います。
重複判定のルールの設定例を以下に記載します。

3.Salesforceの標準のマージ機能で取引先マージの処理を自動化する(必要に応じて)
重複ルールで同じユニークな番号を持つ取引先が発見されると、Salesforceの画面上にマージ対象として表示されます。この表示を基に、日々の運用の中で手動で取引先をマージすることが可能となります。

ただもう一歩進んで、RPAや自動化プログラムを使用してマージ作業を自動化することも一つの選択肢です。
以下にPythonを利用して、取引先を自動的にマージするサンプルプログラムをご提供いたします。
このプログラムでは、マージ対象となる取引先のSalesforceID一覧が記載されたCSVファイルを読み込み、ブラウザを操作して自動的に取引先をマージします。

プログラムの動作の流れは以下のとおりです。
- Salesforceにログインします。
- CSVファイルを読み込み、取引先のSalesforceIDを取得します。
- 各取引先のページにアクセスし、マージ処理を実行します。
ここでは基本的に、CSVファイル内に記載された取引先のデータが残り、他の取引先がマージされます。
プログラムの実行にはSelenium WebDriverが必要ですので、事前にインストールしておいてください。
なお、プログラムに対する質問や要望は受け付けていません。
また、マージ処理を行うとデータを元に戻せなくなるため、慎重に行う必要があります。
あくまで自己責任でご活用いただけますようお願いします。
まとめ
Salesforceの取引先マージは、データの正確性と一貫性を保つために非常に重要です。
定期的にデータクレンジングを行い、常に最新のデータを維持することで、営業活動やマーケティング活動の効果を最大化することができます。
ぜひ、定期的なデータクレンジングを実践してみてください。
MAツール・データ活用の促進を実現したい方へ
・MAに高い投資をしても使いきれない
・付け焼き刃の知識で実装してしまい、属人化や手動作業の発生など、後々運用で苦労する
・営業データと連携できず、成果が見えづらい
MAツールを導入するのであれば、このような状況は回避し、より効果的なマーケティングを実現、そして、マーケティング活動を拡大していくための基盤として整備したいですよね。
弊社さとりファクトリでは、MAツールの導入において重要なSFAのデータ連携やデータ重複の排除、
導入後に自走できるようなテンプレート作成や運用ルールの策定、自動化設計をご支援いたします。
効果的なターゲティングとパーソナライズされたコミュニケーションにより、顧客エンゲージメントと成果を最大化していただけます。
B2B事業での実績を基に、実践的なナレッジをもってサポートいたしますのでお困りの際はぜひご相談くださいね。
コメント